決済端末の審査に落ちたら

記載内容は時点の公開情報にもとづきます

この記事の想定読者

決済端末やクレジットカード決済を申し込んだあとに、審査に通らなかったという通知を受け取った店舗運営者に向けた記事です。理由が書かれていない通知から当たりをつけ、開店や営業開始に間に合わせるための次の一手を判断することを目的とします。

審査に落ちた理由は原則として開示されない

審査に落ちても、理由の詳細は通知されません。与信に関わる判断のため、窓口に問い合わせても「総合的な判断」とだけ案内されることがあります。理由の特定はできない前提で、落ちやすい3方向を自分で点検します。

落ちやすい方向自分で今すぐ直せるか
登記情報と申込内容の不一致直せる。表記をそろえて再申請する
業種・商材の区分すぐには直せないが、追加書類で対応できることがある
代表者個人の与信すぐには直せない。記録の確認と是正に時間がかかる

3方向のうち、自分で今すぐ直せるのは不一致です。登記事項証明書と申込書の控えを並べて、表記を1項目ずつ突き合わせます。

申込内容と登記情報を突き合わせる

最初に点検するのは、申込書の記載が登記情報と完全に一致しているかです。再申請の前にまず直すのは、表記のゆれです。

住所
「1-2-3」と「一丁目2番3号」、ビル名・部屋番号の有無。登記どおりの表記にそろえる
代表者名
旧姓と現姓、ミドルネームや外字。本人確認書類と登記で一致させる
屋号・商号
正式名称と通称、英字表記と日本語表記、スペースの有無
事業内容
登記の目的欄と、実際に決済で扱う商材・サービスが対応しているか

不一致を直しても審査に通るとは限りませんが、不一致が残ったままだと同じ箇所で再度止まる可能性があるため、再申請の前に必ず済ませます。

慎重に扱われることがある業種・商材

取扱商材が特定の法律の規制対象だと、追加書類や条件が課される、または対象外になることがあります。自分の商材が該当するかを先に確認します。

中古品の売買
古物営業法の対象。古物商許可証の提示を求められることがある。買取・リユース・リサイクル店、フリマ関連が該当する
継続課金・サブスクリプション
解約トラブルやチャージバックが起きやすい類型とされ、契約条件や解約手順の説明を求められることがある
後払い・分割・立替
割賦販売法に関わる取引は、決済の区分が変わる、または扱えないことがある
健康食品・化粧品・美容関連
広告表現や返品対応が確認されることがある。定期購入とセットだと、さらに追加確認が入ることがある
前払いが長期にわたる商材
チケット、旅行、工事、教室・スクールなど、代金受領から役務提供までが長い取引は、途中解約や倒産時のリスクとして見られる

取扱商材が古物営業法・割賦販売法・特定商取引法などの規制対象に該当する場合は、対象外なのか、追加書類で申し込めるのかを窓口で確認します。許認可が必要な業種は、許可証の写しを先に用意します。

代表者個人の与信で見られること

代表者個人の支払い状況が審査に影響することがあります。決済審査でどの情報がどう使われるかは公開されていないため、確認できる範囲を自分で点検します。

クレジット・ローンの支払い遅延
代表者個人のカードやローンの延滞、携帯端末の分割払いの滞納。信用情報機関に一定期間記録が残る
税金・社会保険料の未納
法人・個人の納付状況。未納があれば、納付または分納の手続きを進める
過去の債務整理・自己破産
信用情報に記録が残っている間は影響することがある。記録の保有期間は機関ごとに異なる

心当たりがある場合は、信用情報機関に本人開示請求ができます。開示には日数がかかるため、早めに手続きします。内容に誤りがあれば、登録の訂正を申し立てられます。決済審査での使われ方は公開情報では確認できないため、確認できるのは自分の記録の内容までです。

同じサービスでも申請ルートは1つではない

1つの決済サービスで落ちても、申し込み方や別サービスを変えれば再申請できます。窓口でルートの選択肢を聞くのが次の一手です。加盟店審査を担う会社が、サービスごとに1社とは限らないためです。

加盟店契約会社(アクワイアラ)とは
店舗とカードブランドの間に立ち、加盟店契約と入金を担う会社。1つの決済サービスが複数のアクワイアラと組んでいることがある
申し込み方を変える
公式の直販ではなく取次代理店経由にする、申し込むプランを変えるなど。アクワイアラや審査基準が変わることがある
別サービスに切り替える
アクワイアラが異なるサービス、特に必要書類が少ないモバイル決済系を試す

どのアクワイアラが審査したかは通知に明記されないことがあります。窓口では、再申請できる時期、取次経由や別プランの可否、必要書類の不足を確認します。再申請までの待機期間は、時点の各社の公開情報では確認できません。窓口回答で個別に確認してください。

開店に間に合わせる一時手段

開店日が迫っている場合は、モバイル決済を一時手段として使い、第一候補の再申請と並行させます。決済の空白期間を作らないことを優先します。モバイル決済は据置型のような設置工事や機器構成の確認がなく、提出書類も本人確認と口座情報が中心です。設置工事と機器確認がない分、申し込みから利用開始までが据置型より短い場合がありますが、実際の審査期間は各社・申込内容で変わり、公開情報では確認できません。

一時手段の候補
スマートフォンとカードリーダーで始めるモバイル決済。設置工事がなく提出書類が少ない分、申し込みから利用開始までが短い場合がある。実際の期間は各社・申込内容で異なる
並行して進めること
不一致の是正、業種区分の確認、必要書類の再取得。そのうえで第一候補に再申請する
一時手段を使うときの注意
入金サイクルと手数料の条件は第一候補と異なるため、別に確認する。一時手段から第一候補へ切り替える際、端末2台の併用期間が発生することがある。POSレジや予約システムと連携している場合は、一時手段の導入時と第一候補への切り替え時で2回、連携設定とテストをやり直すことになる

開業前の申し込み全体のスケジュールは、開業前、決済端末はいつ申し込むかで逆算の考え方を整理しています。

まとめ

審査に落ちた通知を受け取ったら、次の順で動きます。

今日できること

  1. 申込書の控えと登記事項証明書を並べ、住所・代表者名・屋号・事業内容の表記を1項目ずつ突き合わせる。
  2. 取扱商材が古物営業法・割賦販売法・特定商取引法の対象か、許認可が必要かを確認する。
  3. 法人・個人の税金や社会保険料に未納がないかを確認する。
  4. 開店日が迫っていれば、モバイル決済を一時手段として申し込む。

数日かけて確認すること

  1. 心当たりがあれば、信用情報機関に本人開示請求をして記録の内容を確認する。誤りがあれば訂正を申し立てる。
  2. 窓口に、再申請できる時期と、取次経由や別プランの可否を確認する。
  3. 不一致と不足書類を直したうえで、第一候補に再申請する。

「今日できること」の1と2で、不一致と業種区分という直せる原因は片づきます。

よくある質問

審査に落ちた理由は問い合わせれば教えてもらえますか

与信に関わる判断のため、落ちた理由の詳細は原則として開示されません。窓口では「総合的な判断」とだけ案内されることがあります。理由の特定はできない前提で、申込内容と登記情報の突き合わせ、業種区分の確認、代表者個人の支払い遅延の有無を自分で点検します。

一度落ちたら同じ決済サービスにはもう申し込めませんか

一定期間をおいて再申請できる場合があります。ただし申込内容を修正せずに出し直すと同じ箇所で再度止まる可能性があるため、不一致の是正が先です。再申請できる時期の目安は公開情報では確認できないため、窓口で確認してください。同じサービスでも加盟店契約会社が変わると結果が変わることがあります。

開店日までに審査が間に合いそうにありません

スマートフォンとカードリーダーで始めるモバイル決済は、設置工事や機器構成の確認がなく、提出書類も本人確認と口座情報が中心です。設置工事と機器確認がない分、据置型より申し込みから利用開始までが短い場合があります。ただし実際の審査期間は各社・申込内容で異なり、公開情報では確認できません。開店時の一時手段として使い、第一候補の再申請と並行させます。入金サイクルや手数料の条件は第一候補と異なるため、別に確認が必要です。

個人の信用情報が原因の場合、何を確認すればいいですか

代表者個人のクレジットやローンの支払い遅延、携帯端末の分割払いの滞納、税金・社会保険料の未納がないかを確認します。信用情報機関には本人開示請求ができ、内容に誤りがあれば訂正を申し立てられます。役員が複数いる法人では、代表者以外の与信も確認対象になることがあります。決済審査での使われ方は公開情報では確認できません。